『役員報酬サーベイ(2019年度版)』の結果を発表

デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、CEO:永田 高士)は、日本企業における役員報酬の水準、役員報酬制度の導入およびコーポレートガバナンスへの対応状況の実態調査『役員報酬サーベイ(2019年度版)』を実施し、結果をまとめましたのでお知らせします。

 

本サーベイは2002年以降実施している調査で、今年度は2019年7月~9月にかけて、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社と三井住友信託銀行株式会社が共同で実施しました。東証一部上場企業を中心に928社から回答を得ており、役員報酬サーベイとして日本最大規模の調査となっています。なお、本リリース記載の内容のほかにも、調査結果の一部を別添資料(当社ホームページ掲載)よりご覧いただけます。

【調査結果のサマリーとポイント】

■ 報酬水準昨年対比でわずかに上昇。年々増加傾向に
売上高1兆円以上の企業(2019年度版においては52社)における社長の報酬総額水準は中央値で9,946万円(前年比+0.9%)。

■ 株式関連報酬は増加傾向にあり、特に株式交付信託・譲渡制限付株式の導入が進んでいる
60.2%の企業が株式関連報酬を既に導入していると回答し、昨年から15.3ポイント増加。現時点での導入済みの制度としては、「株式交付信託(信託の設定による株式付与)」が147社と最も多い。

■ コーポレートガバナンス・コードの改訂を受け、報酬委員会の設置および選解任基準の整備が進んでいる
昨年6月の改訂版コーポレートガバナンス・コードの影響を受け、任意の報酬委員会を設置している会社は全体の49.0%と昨年より9ポイント増加。加えて、CEOの選解任に関する手続きにおいて、CEOの選任基準を整備している企業は対前年比21.1ポイント増加し、全体の28.7%にまで上った。

【『役員報酬サーベイ(2019年度版)』の調査結果】

 社長報酬総額の推移
・売上高1兆円以上の企業における社長の報酬総額は中央値で9,946万円となり、前年の9,855万円と比較し+0.9%となった。【図1】

 インセンティブ報酬
・明文化された役員評価制度を有する企業は、全参加企業のうち228社(24.6%)であった。また、明確な評価制度は存在しないものの、何らかの評価基準が存在する企業は391社(42.1%)で、合わせて619社(66.7%)の企業において役員の評価施策が実施されており、昨年の51.9%より14.8ポイント増加している。

・短期インセンティブ報酬を採用している企業の割合は69.8%(648社*1)と昨年の水準とほぼ変わっていない。一方で、採用されている短期インセンティブ報酬の種類を見ると、前年の業績等に応じて翌年の定期同額給与*2に反映する「変動報酬の固定報酬化」を導入している企業の割合が対前年比7ポイント減少したのに対し「業績連動給与*3」の割合が同6ポイント増加するなど、月額報酬に反映するのではなく年に一度まとまった報酬を支給する制度へシフトする企業が見られる。ただし、昨年度に引き続き「損金不算入型の賞与」を導入している企業が最も多いことから、多くの企業が設計の柔軟性を重視した制度を採用していることがうかがえる。

・株式関連報酬(長期インセンティブ報酬)を採用している企業の割合は60.2%(559社*4)と昨年の44.9%から15.3ポイント増加した。採用されている長期インセンティブ報酬の種類では、「株式交付信託(信託の設定による株式付与)(147社)」が、昨年首位だった「通常ストックオプション(131社)」を抜いて最も多い結果となった。また、「譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)(116社)」の導入企業数は昨年から6.1ポイント上昇しており、現在の導入状況ならびに今後の導入予定ともに高い水準となっている。長期インセンティブ報酬においては、今後導入を検討している制度の数値も踏まえると、引き続き譲渡制限付株式と株式交付信託の導入が進むと見込まれる。

*1:「短期インセンティブの有無」において「短期インセンティブあり(導入している)」を選択した企業、及び「変動報酬の固定報酬化の有無」において「あり」を選択した企業
*2:法人税法第34条第1項第1号に規定*3:法人税法第34条第1項第3号に規定
*4:「長期インセンティブの有無」において、通常ストックオプション、株式報酬型ストックオプション、有償ストックオプション、譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)、パフォーマンス・シェア・ユニット、信託の設定による株式付与、その他現物株いずれかの株式関連報酬を採用している企業

■ コーポレートガバナンス
・指名委員会等設置会社を除く910社のうち、任意の報酬委員会を設置している企業の割合は49.0%(446社)と前年より9ポイント増加、任意の指名委員会を設置している企業の割合は42.9%(390社)と前年より約9ポイント増加している。

・任意の報酬委員会・指名委員会の設置率は上昇したものの、年間開催回数は、ともに年1~2回の企業が半数以上を占めており、昨年度の水準(報酬委員会で54.5%、指名委員会で52.1%)から大きな変動は見られず、形式的な議論にとどまっている可能性がある。【図2】

 

 

・昨年6月に公開された改訂版コーポレートガバナンス・コードの影響を受け、CEOの選任基準を整備している企業が266社と全体の28.7%(前年比+21.1ポイント)と大幅に上昇した。CEOの解任基準においても全体の27.7%にあたる257社が整備しており、CEOの選解任に関する手続きの客観性・透明性担保に対応する企業が見られる。なおCEO以外の役員についても、選任基準を整備している企業が380社(40.9%)、解任基準を整備している企業が315社(33.9%)と、前年から増加して4割程度となった。【図3-1】【図3-2】

・指名基準に関連して、後継者計画を整備している企業は、CEOは全体の159社(17.1%)、その他役員は117社(12.6%)であったが、今後整備する予定の企業も含めると、CEOは604社(65.1%)、その他役員は559社(60.2%)と徐々に後継者計画の整備が進むと見込まれる。

 

 

 

 

 

調査概要】
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調査期間 : 2019年7月~2019年9月
・調査目的 : 日本企業における役員報酬の水準、役員報酬制度やガバナンス体制、コーポレートガバナンス・コードへの対応状況等の現状に関する調査・分析
・参加企業数 : 928社(集計対象役員総数 17,052名)。上場企業901社(うち東証一部614社)、非上場企業27社
・参加企業属性 : 製造業412社(うち医薬品・化学90社、電気機器・精密機器89社、機械63社等)、非製造業516社(うちサービス105社、情報・通信101社、卸売83社 等)

 

<役員報酬サーベイ(2020年度版)について>
役員報酬サーベイは、2020年度も継続して実施する予定です。
詳細が確定しましたら、別途当社Webページにてご案内します。
なお、調査協力企業にはサーベイ結果報告書(今年度は418ページ)を提供する予定です。

<役員報酬・指名制度改革に関するサービスのご案内>
役員制度に関する専門チームが、企業価値向上に向けたコーポレートガバナンス強化とアカウンタビリティ等を実現する仕組み作りをご支援致します。詳細は以下のWebページをご覧ください。
■ 役員報酬・指名制度改革 企業価値向上を実現するガバナンスの仕組み作り
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/human-capital/solutions/hcm/officer-system-reform.html